三本木高から阪大医学部医学科に合格した生徒②

2020.07.31 ブログ

①でこの生徒が生物から物理に変えたといったが、なぜそういうことになったのか?

実は、(少なくとも当時は)阪大は圧倒的に生物不利、物理有利の大学なのである。医学部の定員100人のうち、生物選択で受かっている人は数人しかいない。阪大の生物は日本一難しいと言われており、問題の難易度は東大・京大をしのぐ。

北里大の獣医学部出身の先生に阪大の生物の入試問題を見てもらったところ、「俺が獣医の国家試験を受けた時と同じ問題が出てる!」と驚いていた(もちろん、高校生でもできるようにヒントは書いてあると思うが・・・)。それくらい、阪大の生物は難しいということ。そしてこの生徒はそのことを知らず、単純に医学部志望ということで生物を選択してしまったようだ。

もちろんこれは前期試験の話で、(今はもうないが)後期ではセンターと面接+小論文で、小論文は科学技術についての英文を読み、それについて論ずるというものだった。内容は化学・生物が主だが、物理の素養も必要らしい。当時は赤本が手に入らなかったため、インターネットのみの情報である。

さて、ここまでの話をまとめると
①前期は完全に物理有利
②後期は生物有利だが、物理を知っておくとさらに有利
という状況で、「物理に変えた方がいいのではないか?」と当時は考えた。

そして、一度この生徒に数学を教えてみたところ、「この子の能力なら、(自分が教えれば)今から物理に変えても間に合う!」という確信を持ったので、物理に変えることを提案した。もちろん無理強いはせず、「阪大にこだわるなら物理にすべき。生物で受けたいなら阪大以外にすべき」というアドバイスをした。

その生徒の返答は、「少し考えさせてください」というものだった。そして、自分が担当している他の生徒に、どれくらいのペースで進めているのかなどをヒアリングするなどしっかり調査を行った上で、「物理に変えます」という決断をしたわけである(学校の先生には「間に合わない」と反対されたようだが)。

さて、そういうわけで高3の4月から物理を最初から教えていったわけだが、やはり自分の目は間違っていなかった。あっという間に学校の授業に追いつき、7月の進研模試ではなんと物理で学年1位をとってしまったのである(もちろん総合でも1位だったが)!いずれ取るだろうとは思っていたが、こんなに早いとは嬉しい誤算だった。そしてセンター試験本番でも、物理で100点満点を取ることができたのである。

この結果に学校の先生はかなり驚いたようで(そりゃそうだよなあ)、「一体どうやって勉強しているんだ!?」とその生徒にかなり詳しく勉強の仕方などを聞いたようだ(「学校の先生にやたら聞かれましたよ(笑)」と言っていた)。

自分のプリントを学校が回収するようになったのは、この頃からなのでは?と勝手に推測しているのだが、それはさておき、このエピソード?から学んでほしいことが1つある。

「学校や塾の言うことをそのまま信じるのでなく、あくまで自分で決断する」

ということ。学歴がすべてと言うつもりはないが、学歴は人生に大きく影響を与えるものである。他人のいうことをそのまま疑いもなく信じ、その結果失敗したとしても誰も責任は取ってくれない。自分の受験、自分の人生なのだから、人に頼らず自分で考えて決断をしてもらいたい、と常々思うのである。

以上!

twitterフォローお願いします→https://twitter.com/sakurahachinohe