物理か?生物か?ー大学と高校の学習の関連について

2020.05.15 ブログ

理系を選択する人は、高校1年生で理科の選択をしなければいけない。

化学は必須で、地学を選択する人は理系ではほぼいないので、もう1つを物理と生物どちらにするべきかで迷っている人も多いだろう。結論を先に言うと、「基本的には物理」である。

生物では受験できない大学や学部があり、物理が不可の大学はなく、進路の幅が広がるということも理由の1つだが、実はもっと本質的な理由がある。それには大学の学習内容が関わってくるので、それについて説明したい。

大雑把な説明だが、大学の内容と高校の内容には次のような関係がある。

大学の物理≑高校での数学
大学の化学≑高校での物理
大学の生物≑高校での化学

もちろん、学ぶ内容がほぼ等しいという意味ではなく、頭の使い方というか、思考方法のようなものがほぼ等しいという意味である。

注意してほしいのは上の対応に高校での生物が入っていないことである。高校で生物を学んでも、それが大学に入ってから活きるのは知識のみであり、考察する力などはあまり役に立たない。高校の物理の方がよっぽと深い考察を必要とするので、生物選択だとその点で物理選択の人との差がかなり広がってしまい、大学に入ってからの伸びが少なくなってしまう。

農学系や医療系の学部では入学後、化学・生物を中心に勉強することになるのだが、大学で化学・生物を勉強するから高校でも化学・生物で・・・という考えはやめた方がいいだろう。物理選択だと最初の1年は生物の知識を身につけるために苦労するが、それを乗り切れば、その後は物理選択の方が有利なのである。

だから、「物理必須」のところはあっても「生物必須」のところはないわけだ。こうした事情もあるので、理科の選択は慎重に行った方がいいと思う。将来を見据えた選択をしてほしい。

以上!

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