数学の応用問題が解けない人へ

2020.05.22 ブログ

まずは次の問題に取り組んでみてもらいたい。ある高校の難関大志望者向けの課題である。

東北大あたりで出題されそうなレベルの問題である。自分の解き方は次の通り。
※(2)は(1)ができればすぐなので、(1)だけ載せます。ちなみに答は√2です。

①まずは条件を満たすように図を書く。
②3つの円の中心間を結んで三角形をつくる。
③外接・内接という条件から、②の三角形の3つの辺の長さがすべて求まる。
④三角形の角度の1つ(1と2-tの間)をθとおき、余弦定理からcosθを求める。 (ここで、cosθの範囲からtの範囲が出る)
⑤C3の中心からx軸に垂線を下ろし、それでできる直角三角形(斜辺の長さが2-t)に三角比を利用しa,bを求める。

という流れである。もちろん別解もあると思うが、ここでは触れないでおく。

さて、この問題が解けなかった人は当然解答・解説を見て勉強することになるのだが、そのときに注意しないといけないことがある。結論を先に言うと、

自力で解くために必要なことと、答を出すために必要なことは異なる

ということともう一つ

数学の解答は、答を出すために必要なことしか書かない

ということである。
そして勉強するときは、「なぜこのように解くのか?」ということに目を向けなければいけない。上の問題で言えば、

なぜ②で円の中心間を結ぼうと思ったのか?
なぜ④でcosθを求めようと思ったのか?

というような点に疑問を持ち、それを学習しないといけないのである。それが自力で解けるようになるために必要なことだ。

そして、その部分は解答には載っていない。だから、それがわからなければ自力で解ける人に質問をしないといけない

問題のレベルが上がるほど、「自力で解くために必要なこと」と「答を出すために必要なこと」の差が大きくなっていくから、それを埋めるための「質問」が必要になってくるというわけだ。

間違っても解答や先生の解説を丸暗記したり、丸写ししたりしないこと!そんなことをいくら積み重ねても意味はない。

高校生の頃、数学の担任が黒板に書いたことをただ移している生徒に向かって、
「俺が書いたのを丸写ししても、何にもならないんだよ?」
と言っていたのをよく覚えているが、本当にその通りだと思う。

以上!

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