八高1年数学ハイレベル添削No1:方針とヒント

2020.05.24 ブログ


まず条件を見て最初に気づかなければいけないのは、「x、y、zの対称式である」ということ。すると基本対称式のx+y+z、xy+yz+zx、xyzという形を作ることが目標になる。

①はそのまま利用できるが、②はそうではないため式変形をして残り二つのxy+yz+zx、xyzの形を作るにはどうすればいいかを考える。両辺に3xyzをかければ、この二つが一気に出てくることがわかるだろう。(1)に取り掛かる前に、ここまではやっておきたい。

(1)だが、②の両辺に3xyzをかけると

xyz=3(xy+yz+zx)

となり、①と合わせるとアとイに入る数字がわかる。

(2)は複数の文字を含む因数分解の定石通りx、y、zどれかの文字について整理してみればOK。xについて整理すると係数でくくれる。さらに因数分解できることに注意せよ!

(3)は(2)の結果をどう利用するかがカギとなる。小問に分かれているときは誘導の可能性が高いので注意しよう。

【平方完成を知っている人向け】
いかつい式だが、まずは式を分析。xについては2次、yとzについては1次なので、とりあえず定石通り次数の低い文字(yまたはz)について整理してみよう。ここではyについて整理する。

(  A  )y-3(  B  )

という形になるが、まだ複雑なので、今度は(  A  )のみを取り出し整理することを考える。この部分はxについて2次、zについて1次なので(  A  )をzについて整理してみるとうまく因数分解ができ、(2)の結果と似た形が出てくる。

次に(  B  )を整理しよう。ここも同じくzについて1次式なのでzについて整理。zの係数はそのまま因数分解できる。zがない部分をどうするかがポイントだが、ここで平方完成を行えばzの係数と同じ形が出てきて、さらにそれは(  A  )にも含まれるため、その部分でまとめてくくる。すると、

((2)の結果を含んだ式)-81

という形になり、(1)より答えはー81となる。

【平方完成を知らない人向け】
(答えを出すだけならこちらの方が早いかも。ただ、この式の本質は見えなくなる)
(2)と(1)よりx、y、zの少なくとも1つが3となることがわかる。あとは場合分けして、
(i)x=3のとき、①よりy+z=0なのでz=ーy
あとはx=3とz=-yを与式に代入して計算すると、いろいろうまいこと消えて答えが出る。

(ii)y=3のときも同様の方針であり、与式はyとzについて対称式なのでz=3のときも同様となる。

この解法で「なぜこんなにうまいこと消えるのか?」と疑問に思う人は、平方完成を習った後で前の解法で解いてみるとよい。理由がわかってスッキリするだろう。