東大理系数学(2020)解いてみた感想

2020.02.26 ブログ

まず全体に目を通すが・・・第一印象は「東大、本気出しすぎだろ笑」という感じ。
一目見ただけでかなり厳しいセットであるとわかった。

とりあえず1番から。ここはどの大学でも一番簡単な問題が出ることが多い。

問題を作る立場からすれば、いきなり受験生の出鼻をくじくより、落ち着いて
もらって十分に実力を発揮してもらいたいと考えるのが当然である。

だから、少なくとも出題者は1番が最も簡単な問題と思って出している。
しかし、出題者である大学教授が簡単と思っていても、受験生がそう思うかは
まったく別問題である。

今年もそのような難易度感覚のズレがあったのでは?と思わざるを得ない。

2020数学 理1
全部証明問題だが、(1)からいきなりつかみどころのない問題である。なんとなく、二次関数が正となるxの範囲で、3つのうち1つでも上に凸だったら解はe<x<fという形になりそうだからダメなのだろうということは理解できたが、その辺りを頭の中でうまくまとめられず、時間を浪費。結局その方針は捨て、x^2で割ってx→∞の極限をとって証明するという力技で解決。もちろん、x=0が解かどうかは考慮に入れている。

(2)は背理法というのはすぐわかるだろう。(1)よりすべて0でないとするとすべて正であり、3つとも2次関数で下に凸の放物線。さらに、x=0でのyの値が正、軸の位置が負であるから、x<・・・という形の解も持ってしまうことにより矛盾。二次関数がx軸と交わらないときがあっても本質的には変わらない(十分小さいxはすべて解になってしまい条件と合わないということ)。

(3)は(2)を利用し、0となるものがいくつあるかで分けて考えればすぐ結論が出る。


計算はいらないが、考察を必要とする問題であった。
来年から始まる共通テストを意識しているのだろうか?

いずれにせよ、難易度的に1番としてはふさわしくないのでは?と個人的に思った問題である。

2020数学 理2

個人的に今年の6問の中で一番やりにくかった問題。「三角形の形が決まっていない!?」と驚き、嫌な予感がしつつも「図形は困ったら座標だ!」という主義なのでとりあえず座標をおくも、あまり意味はない。

Xが△ABCの外部にないといけなくて、辺AB、BC、CAを延長した直線で分けられる6つの領域について、対称性が使えそうだなとかが頭に浮かぶも、これは後回しにしたほうが無難だと思ってとばし、その後帰ってくることはなかった・・・・


2020数学 理3
これは落とせない。(1)、(2)は基本問題だし、(3)も誘導の意図が理解できれば難しくない。「時計回り」とあるのに「反時計回り」に回転してしまうというハプニングはあったが、図を書き直すだけで済み計算式は同じなためセーフ(結局、扇形+Dの面積1個分というのは変わらない)。さっさと片付けて次へ。理系の1番はこちらの方がふさわしかったと思う。


2020数学 理4
見た目がまず威圧的だが、問も見た目と違わず十分に難しい。(1)からできずに、すぐに別の大問に移った受験生が多かったことだろう。(1)は結局、AiAj(i>j)の和を求める問題で、これは

(数列Aiの和の二乗)-(数列Aiの二乗の和)

を2で割ることで求められるのだが、(1)からいきなりこれというのもなかなかに鬼畜である。実は(1)はその後の設問とは無関係なのだが・・・本番中はわかんないよなあ。

そして(2)。これは答えを出すだけなら、nに1や2などの値を代入して答えを推測、帰納法で証明という流れで解決できる。しかし、この問題の本質はそこではない。

fn(x)が因数分解でき、それを展開したときの各係数がan,kというのが本質である。

fn(x)=(1+x)(1+2x)(1+4x)(1+8x)・・・・・(1+2^(n-1)x)

と因数分解できることに気が付けば、(2)はたやすく解決、(3)も関係式が簡単に立てられる。

個人的に解いてて一番楽しかったが、自分が解いて楽しいということは、入試問題としては(難しすぎて)機能しないのだろうな、と解いている最中は思っていた。

理系数学がひと段落したあとで文系数学を見たら、これが共通問題になっててビックリ。理系数学の中でもかなりの難易度なのに、文系数学で出すとは・・・・むしろ理系の1番を共通問題にすべきでは?というのが正直な感想。

2020数学 理5
東大が大好きな空間図形の体積を積分で求める問題。(1)は東大対策をしてきた受験生なら大丈夫だろう。問題は(2)。

定石通り平面z=tで切って断面を考えるが、Pが円錐上すべてを動くため、Pのz座標も変数で置かないといけない。その上でまずPのz座標を固定して断面を数式で表す。その後Pのz座標を動かし、全体の断面を把握するという流れになる。それを積分して終了だが、やることが多く、大いにくたびれた。

2020数学 理6

最後の問題だが、こちらも見た目が十分威圧的。やっぱり(1)から出鼻をくじかれかねない。頭の中で考えても方針が立たないので、とりあえずAsin2θとsin(θ+α)のグラフを書いてみたら、θ=π/4、3π/4、5π/4、7π/4での大小関係が定まることに気づく。

そして、差を取って中間値の定理で少なくとも3つもつことは確定。残り1つはθ=0のときとθ=πのときはどちらかが正ならどちらかが負なので、場合分けすれば示せる。

(2)は条件の「少なくとも4個」というのが(1)の「少なくとも4つの解」と重なるので、明らかに誘導なのだなと読み取れる。すると角度の話に持ちこむために、楕円のパラメータ表示をすればよいとわかるだろう。

とりあえずQをパラメータ表示して接線の方程式を出し、そこからPQの方向ベクトルを出してみた。そしてP(x、y)とおいて直線PQの式を求めてみると

√2cosθy=2sinθx-√2sinθcosθ

という式になった。これを(1)の式と見比べると、sinθcosθからsin2θが出そう。すると残りがsin(θ+α)になるはずで、そうするには・・・・と考えていくと楕円内部にあるPの座標をパラメータ表示すればいいことに気づく。

パラメータ表示してみると見事に(1)の形になり、(1)のAにあたるのが1/2kなのでこれが常に1より大となればよいということで答えである1/2を得たものの、きちんとした答案を書くのはかなりしんどいな・・・

というところで時間切れ。結局2番はできなかった・・・
自分が解いた結果は2番以外は答えまで出せて5完(8割ちょい)に見えるが、途中の議論の不備で減点されることを考えると7割くらいか?

某掲示板の情報によると、灘高の生徒の平均が3完+αくらい(5割ちょい?)ということなので、これが本当なら合格に必要な点はもっと低く、おそらく4割で十分なのでは?と思われる。0完でも他教科で巻き返せば十分合格可能だろう。

落とせないのが3番。ここで20点を取り、1番で説明不足による減点がありつつもできるだけ部分点を稼ぎたい。2、4、5、6番は本番中に完答するのは厳しいだろう。5番(1)は大丈夫だろうが、他はどれも難しい。

3番、1番、5番(1)を解き、あとは部分点を稼げば十分か?というのが自分の感想である。